巻頭言
サレジアン・シスターズの創立者と共創立者
サレジアン・シスターズ副管区長 サレジオ家族担当 Sr.武石 聰子
170年前、男女共学というようなことは考えられなかったその当時のしきたりに沿って男子のための教育を北イタリアの工業都市トリノではじめたドン・ボスコは、人々の強い要請に応えて、30年後の1872年からサレジアン・シスターズを通して、同じ教育方針、同じ教育法による女子教育をモルネーゼで始めました。
このことに先立って、ドン・ボスコは、「私たち(サレジオ会員たち)が神のお助けをもって、少年たちの間でなしているわずかの善を少女たちのためになす」女子修道会の創立に着手することを余儀なくされました。
ひとつの修道会の創立にあたっては、創立者の意図に決定的な重要性があります。
何のために、この会を創立するのかという的確な修道的・使徒的目的、どのように生活するのかという生活の固有なスタイルと特有の教育法が明白でなければなりません。
トリノのヴァルドッコのサレジオ精神の味わいと素質を備えた教育事業をモルネーゼで始めるに際し、求められたのは、この修道会創立の意図を実現できる人の存在でした。
マリア・マザレロは、ドン・ボスコと出会う前に既に、モルネーゼで村の少女たちの教育のため、ドン・ボスコの予防教育法に通じる生き方をしていました。
少女たちを善に導くため、常に少女たちと共にいて、少女たちの好むことの輪に入り、「愛するだけではなく愛される人となり」、当時の閉鎖的な村の因習や無理解、誤解をも恐れず斬新なことにも挑戦していました。
時の必要性によることでもありましたが、少女たちのために次々と発展していく教育活動に対する村人や無原罪の聖母信心会会員からの陰口や悪口に対してもくじけることなく、強く快活に前進していました。
こんなマリア・マザレロに目をとめたドン・ボスコは、この新しい修道会を導くことを彼女にゆだねました。
前にも書きましたが、1864年の秋、始めてドン・ボスコに会った時、マリア・マザレロが示した彼への全面的同意は、田舎の小娘が聖人の噂に高きドン・ボスコの偉大さに身を引き渡してしまうようなものではなく、少女たちの救いのための使命遂行を同じ精神をもって実現するようにとの神のご計画への自ら望んでの同意でした。
したがって、先頭に立って修道会のなかにドン・ボスコの意図を実現していくにあたって、彼の望んだサレジオ精神による長上の姿を生きようと励んだのでした。
創立者の意図は、修道会の憲法とも言える『会憲』に明記されています。
ドン・ボスコによって書かれた『会憲』を生活の指針としてマリア・マザレロは日々の生活をおくりました。
一例をあげましょう。1872年8月5日、モルネーゼでサレジアン・シスターズの会が創立されてからわずか1ヶ月後の9月15日、マリア・マザレロは上長に毎週の講話を規定する会憲の箇条を実行し始め、いつもの謙虚さをもってこう話ました。
「会憲とドン・ボスコの望みに従ってこの家を治めていくのは私だけではありません。
それぞれが支援と勧めをもってそれをしなければなりません。
すべてがよりよく進行するよう各々自分の見解を表さなければならないし、またそうすることができるのです」と。
150年前の、まだ上意下達で全てことが運ばれていた当時としては、これは画期的な発言でした。
誰も何も差し上げられないほど貧しくはなく、また誰も人から受け取るものが無いほど豊かでないことを示し、全員の協力で「神の愛に満ちた家」をつくりあげていこうとしたのでした。
創立者の意図を自分の生きかたに体現し、会員の先頭に立って進んで行ったマリア・マザレロの存在が、誕生したばかりのサレジアン・シスターズの姿、特徴を明白に形成したことを教会は認め、彼女に「共創立者」の称号を授与したのはもっともなことでした。
2017年度ウニオーネ日本管区連合総会開催
2017年4月23日(日) 星美学園短期大学にて
現在、ウニオーネ日本管区連合として活動しているのは、星美学園短期大学、星美学園、星美ホーム、目黒星美学園、静岡サレジオ学院、城星学園、明星学園、小百合ホームの各同窓会です。
各同窓会の代表者は一年に一度ウニオーネ日本管区総会を開催して、活動の方向性と、互いの連帯を確認しています。
4月23日、東京の星美学園短期大学にて2017年度総会が開催されました。
本年度の総会にはサレジアン・シスターズ副管区長シスター武石をはじめとして、40名以上の同窓会役員、デレガータが出席しました。
さらにオブザーバーとして、サレジオ同窓会日本連合役員2名が参加されました。
議事に先立ち、シスター武石より本部デレガータの交代が発表されました。
デレガータとはサレジアン・シスターズから派遣されるシスターで、同窓生にモルネーゼのサレジオ精神を伝え、常に同窓会活動に同伴してくださる方です。
議事では2016年度本部活動報告、決算・監査報告、並びに2017年度活動計画案、予算案の審議が行われ、すべて承認されました。
午後からは「同窓生のアイデンティティー」を踏まえた活動の現状を分かち合い、生命尊重の活動について、また各支部で取り組んでいる奉仕活動の現状、ボリビアへの支援などについて話し合いをいたしました。
ご挨拶
同窓生の皆様、こんにちは。初めまして、と申し上げる方がよろしいかも知れません。
この度、前デレガータ鈴木裕子シスターに替わりまして管区本部のデレガータの任を戴きましたSr.小島順子と申します。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
鈴木シスターは理事長という重責を担いながらこの任務を果してこられました。
また、歴代のデレガータの方々が本部役員の皆様と苦労なさりながら築いてこられた礎の上に、支部のデレガータさえしたことのない者が何を積んでいくことができるのか大変心配です。
役員の皆様に教えて戴きながら、ご一緒に支部の皆様の心の拠り所である元気なウニオーネ本部であることができるよう、微力ながら努めて参りたいと思っております。
シスター、教えてください
日々の暮らしの中で起こる素朴な疑問。
Sr.鈴木裕子が第二バチカン公会議公文書『教会憲章』をもとに答えてくださいました。
質 問
ある友人に「カトリックってマリア様にお祈りするんでしょう?」と言われてびっくりしました。
私は在学中、シスターから度々「マリア様に願いましょう」とか「マリア様にお祈りしましょう」と教えて頂き、洗礼は受けてはいませんが、卒業してから何年も経った今でも、思い出してはマリア様にお祈りしています。
キリスト教の中でマリア様にお祈りするのはカトリックだけなのでしょうか?
言われてみれば確かに、マリア様は神様ではないのに、お祈りしたりお願いしたりするのはなぜですか?
回 答
「マリア様とは、どのようなお方でしょうか」?
私たちは普段、お祈りや会話の中で、マリア様のことを「聖母マリア様」ともお呼びしています。
それは、マリア様が「神であるあがない主イエス・キリスト様のお母様であり、また、教会の母、私たちすべての人のお母様である」からです。
マリア様は、初代教会からずっと「最も愛すべき母」として孝愛の心をもって尊敬され、慕われ愛されて、いつの時代の人々もマリア様の母としての執(と)り成しを願ってきました。
このような母としてのマリア様の深いいつくしみとご保護を願う「アヴェ・マリアの祈り」や今日までの長い歴史の中で、素朴で愛情のこもった「ロザリオの祈り」等の信心業が人々の間で伝えられ、マリア様に捧げられてきました。
また、マリア様を描いた美しい絵画や私たちの良く知っている「アヴェ・マリア」等、数々の聖歌が作曲されてきました。
キリスト教の中では、カトリック教会だけではなく、キリスト教を信じている他の教会の人々、とりわけ東方教会では、マリア様の美しいイコンが描かれました。
また、マリア様を讃える賛美歌や典礼儀式などは深い感動を与えてくれます。
そして、私たちにとって、このように教会の中で受け継がれてきたマリア様に対する深い愛と信心には学ぶべきことがたくさんあります。
「マリア様の役割と母としての執り成し」
私たち人類の救いの歴史の中で、マリア様はあがない主イエス・キリスト様のもとで、いつもおん子であるイエス様と共に、イエス様に従って、一人の人間、一人の女性として自由な信仰と従順によって、マリア様独自の仕方で人類の救いに協力されました。
マリア様のこうした働き、つまり、マリア様の役割と母としての執り成しは、これまでも、そしてこれからも、人生の歩みを続けている私たちに同伴し、とりわけ、危機や困難の中にあるときは特に力強く守り、助けてくださいます。
私たちが人生の歩みを完(まっ)とうし、天の祖国に到達するまで続けてくださる母であるマリア様に、私たちは自分自身と他の人々を委ね、信仰と希望と愛のうちにマリア様を仰ぎながら歩んでいきます。
こうしたマリア様に私たちが語りかけ、祈るのは、マリア様が私たちのお母様であり、私たちがマリア様に愛されていて、必要な恵みを神様に執り成してくださるからです。
(参考文献 第二バチカン公会議公文書 『教会憲章』)
サレジオ家族コーナー
サレジオ同窓会連合 アジア・オセアニア地域大会に代表団派遣
2016年10月4〜8日、東ティモール・ディリでサレジオ同窓会連合アジア・オセアニア地域大会が開催され、11か国、約260人が参加。
日本からは7人の代表者が出席した。
4年毎に開催され11回目となる今回は、同窓会のほかサレジオ家族代表も参加。
テーマは「よい教育・経済的連帯・社会正義の促進により仲間と共に奉仕する」で、各団体の活動報告や交流、今後の課題の議論等が行われた。
開会式ではフェルナンデス総長がビデオメッセージで「サレジオの学校で学び、心に刻まれた最高のものを互いに分かち合い、誠実な社会人として働く使命を果たすように」と激励。
世界連合ホルト会長らが6か年戦略計画を紹介し、アジア地域での課題と目標が話し合われた。
東ティモールはサレジオ高専が20年以上にわたり交流を続けており、日本との絆も深い。
独立までの悲惨な歴史を抱えつつも、同窓生がドン・ボスコの学校を創立・経営するなどして若者の教育に奉仕する姿勢に参加者は感銘を受けた。
翌週10月15日にはサレジオ同窓会日本連合の役員会がサレジオ会EAO地域顧問クレメンテ神父も同席し、サレジオ小学校・中学校(東京都小平市)で行われた。
アジア大会の決議を受け、今後、同窓会青年部を立ち上げ、財政強化と持続可能な組織とするため法人化を進めること、2020年にアジア・オセアニア地域大会を日本で開催することとなった。
サレジオ高専、日向学院、サレジオ小・中学校、大阪星光学院、サレジオ学院の各同窓会は、2015年にサレジオ同窓会日本連合を設立しました。
各学校同窓生が互いの多様性を認め合いながら力を合わせて社会に貢献することを目指して活動を始めています。
サレジアン・シスターズ「協働者の集い」開催
2016年11月11日から三日間にわたり、「まなざしを広げて」〜人が大切にされる世界に〜をテーマに、山中霊性センターにて「サレジアンシスターズ協働者の集い」が開催されました。
目的は『全く聖母のものである家族』として、ドン・ボスコ、マリア・マザレロの精神を共に分かち合って教育するためにシスターと共に働く者として何ができるか、を明らかにすることです。
全国に展開するサレジアンシスターズの小・中・高等学校、幼稚園、養護施設の各事業体から教職員の代表32名に加え、サレジオ家族の一員としてウニオーネと、サレジアニ・コペラトーリからも代表が参加して活発な話し合いが行われました。
この集会の実りはそれぞれの教育現場へ持ち帰られ、分かち合い、具体的・継続的な実践と振り返りを経て、サレジアンシスターズ第24回総会へと繋げられます。
最終日、目標とする「サレジアン カラー」(2016年度版)が採択されました。
★サレジアン カラー★(2016年度版)
「全く聖母のものである家族」としてドン・ボスコ、マリア・マザレロの精神を共に分かち合って教育するために…
- 愛されていると感じられる関わりを目指す
- 青少年教育に情熱を燃やしていく
- 青少年と共に歩んでいく
- 家族的精神を生きていく
- 快活、喜び、柔和、慈愛を生きていく
- 青少年のために祈る
それは私たちサレジアンも神様から愛されているからです。
「ウニオーネ山中のつどい」開催
〜〜同窓生のアイデンティティについて〜〜
サレジアン・シスターズ山中雪の聖母修道院 霊性センターにて 2016年9月24日〜25日
サレジアンシスターズ山中雪の聖母修道院霊性センターにおいて「ウニオーネ山中のつどい」が開催されました。
全国のウニオーネ会員が支部の枠を越えて参加する催しとしては2012年の長崎・五島巡礼以来4年ぶりのものです。
告知の期間が短く、周知が行き届かなかったにもかかわらず、関東・東海の5支部から18名の同窓生が参加してくださいました。
一日目は雷雨にもかかわらず皆無事に到着し、交流の時間を持った後サレジアンシスターズ副管区長・シスター武石聰子から「同窓生のアイデンティティーについて」の講義を受け、サレジオ精神について皆で真剣に話し合いをしました。
翌25日は天気も回復し、富士山を間近に見ながら忍野八海付近を散策して親睦を深めながら英気をやしないました。
宿舎のお世話、美味しいお食事の準備をしてくださいました山中雪の聖母修道院のシスター方に心から御礼申しあげます。
参加者からいただいた感想を紹介いたします。
「ウニオーネ山中のつどい」に参加して
ウニオーネ短大 中城啓子
9月24、25日、富士の裾野。山中雪の聖母修道院にて本部主催の「山中のつどい」の案内を定期機関誌で知った私は、同窓会活動に力を注いでいる役員の方々に少しでも協力できれば・・・という思いで参加を決めました。
今回は、関東地区の各支部会員の方々の参加ということで、多少の戸惑いもありましたが、同じ教育方針の下に集まった同窓生なので、「ウニオーネ(一致)」の言葉通りすぐに打ち解け、これぞまさしく!と一人感じ入ったものです。
食後「ボナノッテ!」・・・なんと懐かしい響き! マリア・マザレロの映像を見、Sr.武石の就寝前のお勧めをいただいた後、参加者みんなで「ウニオーネ活動」の活性化について語り合いました。
私は、大学にして初めてカトリック精神の色濃い環境に浸りました。
生活のすべてが興味津々の毎日。シスター方の日常生活を目の当たりに、「今時こんな生活をしている人がいるんだ。」と驚き、言語、行動すべてが神聖で、崇高に見えました。
まさしくカルチャー・ショック状態。
それに比べ私の行動ときたら、いつも飛び跳ね、すべてが興味津々。
言葉遣いまで違う有様です。
男女共学の一般高校から突然入って来たので、どれほど院長様、学長様は頭を悩ませたことか、と今にして思います。
そんな戸惑いの日々の中、私に投げかけられたシスター方の対応、指導、癒しの言葉にどれほど助けられ、励まされたことでしょうか。
「無理せず、自然体でいればいいのよ!」と言われたことが一番の救いになり、二年経ち、いつしか「祈っている」自分がいました。
今ある幸せを思うと、過ごしてきた環境に感謝せずにはいられません。
卒業生一人一人の思いには違いがあると思いますが、誰しもが大なり小なり、お世話になった母校です。
その母校への感謝の気持ちを表すためにも、微力ながら自分の出来ること、例えば、友に声をかけ、友と共に、ウニオーネ活動の力になれるよう努力をしてみたいと思うのです。
ただ「祈る」だけではことは進みません。
久しぶりに「ウニーネ活動」に参加し、改めて今の小さな幸せに感謝し、いつまでもウニオーネの精神がつながっていくようにと、皆様に呼び掛けたいと感じました。
ウニオーネ静岡 柏木 祐子
私たち静岡支部からはレンタカーを借りての7名の参加でした。
総会でお会いする方々の懐かしい笑顔に迎え入れていただき茶話会の後、講話室にてSr.武石から「扶助者聖母会同窓生のアイデンティティーについて」のお話を聞かせていただきました。
夜の分かち合い、ボナ・ノッテではそれぞれの立場からの貴重なご意見を聴かせていただき、もっともっと多くの卒業生にも同窓会について関心を持ってもらいたいと思いました。
今回シスター手作りの三回のお食事はどれもおいしく、心のこもったものばかりで、またすぐに食べたいと思う程でした。
雨上がりの二日目、解散後には山中湖を巡る水陸両用の「カババス」に乗って童心に返った様にはしゃぎ、楽しい思い出となりました。
ウニオーネ短大 江口 政江
懐かしい山中で開催された「集い」に久しぶり参加した。
改装された山中修道院はとても美しく、中庭には、扶助者聖会創設140周年記念で建てられた「モルネーゼの井戸」があり、マリア・マザレロの姿を思い起こすことが出来た。
静岡支部の方々とは久しぶりにお会いし、ウニオーネ日本管区創設30周年記念イタリア巡礼の思い出や支部の情報交換などで話が盛り上がった。
サレジアンシスターズ副管区長の武石聰子シスターの講話『同窓生のアイデンティティーについて』は今、自分がどのように生きているのかを問い直す、良い機会となった。
2日目は、朝から富士山にはうっすらと雪がかかり、私たちを祝福してくれているようであった。
ミサとバスハイクが計画されたが、富士の聖母巡礼や祈りの時などサレジアンだからこその企画があると良かったように思う。
修道院のシスター方の心のこもった、美味しい手料理に感謝し、この集いを通して、Unioneの活性化を考える必要性を感じた。
支部からの便り
ウニオーネ短大
今を生きる 〜東日本大震災の痛みとともに〜
星美学園短期大学を卒業し、はや26年が経ち、現在私は宮城県仙台市に在住し、結婚22年目。
企業戦士の夫と大学生の長男、中学生の長女に恵まれ、主婦業の傍ら再び大学へ編入し心理学を学んでおります。
学ぶきっかけは、家族関係から始まり、5年前の3.11東日本大震災を経験して、アロマとハーバルセラピストとしての自己研鑽の必要性から学び始めました。
昨年末までは義母の介護や看取りも経験し、家族機能の重要性を学びました。
卒業後は子どもの発達支援相談等の職務につき、さらに大学院へ進学して、将来は小さな心理相談室を開くことが夢です。
現代社会は、少子高齢化、核家族化、保育園待機児童問題、雇用問題、子どもや老人の貧困化などの問題が多様化複雑化し、深刻さが増しています。
このような変化の波を生き抜いていくために私たちにできることは、次世代の子どもたちにあたたかい養育環境と教育を整備し繋いでいくことだと考えております。
星美学園寮と短大でご指導賜りました愛と奉仕の精神が今も私の心に生き続けています。一粒の麦の種がやがて穂となり多くの実を結ぶように、私も微力ながらそうなりたいと願っております。
幼児教育学科27期生 須田 明美
ウニオーネ東京
文化の架け橋に
扶助者聖母会の本部のあるイタリアと日本の架け橋的存在であろうと活動していらっしゃる杉田佳織さんをご紹介します。
杉田さんは卒業後幼児教育を勉強されマリアモンテッソーリの教育内容をもっと勉強したいと思いイタリアに留学されました。
そこでイタリア人のご主人と出会いご結婚。現在はシエナで娘さんと一緒に旅行代理店をされています。
当初は日本人にイタリアの文化をもっと内側から知ってほしいとの思いで旅を企画する事から出発されました。
娘さんとされている旅行代理店では、日本の方にイタリアを現地に住んでいる『目』でご紹介されています。
高等学校のイタリア研修旅行のコーディネイトもされています。
杉田さんは『私も娘も皆さんと一緒に旅をする事をモットーとしています』とおっしゃっています。
イタリア人に日本を紹介するツアーも年一回されています。昨年秋、日本ツアーの途中に取材させて頂きました。
お寿司を食べた後着物の着付けをしていました。
着付けのお手伝いをされているのはイタリア旅行で杉田さんの旅行社にお世話になった方々です。
骨身を惜しまずお世話をされる姿勢を拝見して『星美の心』を感じました。
イタリアに旅行を考えている方は是非杉田さんの旅行代理店に相談してみてください。
自分だけの特別なイタリア旅行をコーディネイトしてもらえますよ。
KAORI SUGITA PLANETA Italy
Email- info@planetairaly.com
文責 太田 恵美子
ウニオーネ星美ホーム
若者からの便り
現在、役員は3名で、これから若い世代の方々とどのように繋がつていくか大きな課題となっています。
そんな時に卒園生の青年からお便りが届きましたのでご紹介したいと思います。
彼はアルバイトをして貯めたお金で友人とインド旅行に行き、その旅行でのエピソードの後に綴られていた文章です。
「現在の自分は過去と比べて僅かながら成長したと実感する。
幼稚園、小学校に通っていた頃はひとりで靴も履けず、中学校では部活動を早期に諦め、高校入学当初も活気が無かったが、ドラムを始めて人前に立ち自信を獲得したことで様々なことに挑戦するようになり、現在大学3年生として充実した日々を過ごせている。
過去の失敗を繰り返したくない、更に向上していきたいという気持ちが自分自身を突き動かすのは勿論だが、背景には失敗を支えてくれた人、理解し見守つてくれた人、日に見える形で支援してくれた人達がいるからこそだと感じる。
恩返しには、鶴が老父にしたように、特定の対象者がいるものである。
しかし、多くの恩人を持つ私にとつて、それは自分自身の人生を充分に楽しみ、成果を報告することであると考える。
理想を高く持ち、悔いの無い選択を行い、周りの人にとっても誇りある人間に成長していきたいと思う。
17年間、楽しい時間をありがとう。」
この手紙をいただき感じたことは、ドン・ボスコがそうであったように心身共に辛かった時期を乗り越え、地に足を付けて社会で頑張ろうとする彼らに私たちは卒園生の先輩として、見本となり応援できる大人でいることに努力し、それこそが若い世代の方々とも繋がっていける方法の一つでもあるのかと思いました。
ウニオーネ目黒
同窓生カフェ
さつき会の年間行事の中で最も力を入れているのが、母校の学園祭でのチャリティーバザー(さつき会バザー)です。
大勢の同窓生が集まり、献品の販売を行う他、お子様向けのゲームやワークショップ、シスターや先生方との談話コーナー等、皆様の楽しめるスペースとなっています。
同窓生それぞれの役割分担がある中、毎年21期の常任幹事4人組が、フロアーの装飾を担当しています。
おしゃれな4人組は、いつも最新アイテムを使ってハイセンスな空間に仕上げてくれます。
今回はどんな風になるのか楽しみにしていた中、同窓生から「カフェをやったらどうか」という案がでました。
早速4人組に依頼し、快く引き受けてくれました。
名前も改め「さつきカフェ」となり、教室前の踊り場スペースに、1日かけてテントを設営、装飾を施し、出来上がった時には周囲から大歓声があがりました。
同窓生の頑張りによってカフェは大成功。
次回もおしゃれ4人組は斬新なアイディアを出して取り組んでくれることでしょう。
このように得意分野を活かして活躍してくれる同窓生がどんどん増えていくことを期待しています。
ウニオーネ静岡
同窓会のボランティア活動
JR静岡駅南口から歩いて10分、「特別養護老人ホーム聖ヨゼフの園」はあります。
同窓会の有志は毎月第一日曜日、その「聖ヨゼフの園」で洗濯たたみ、名札付け、布団のカバー掛け、繕い物などのお手伝いをさせていただいています。
このボランティアは前会長の小林美恵子さんから受け継いできたものです。
洗濯機や乾燥機に囲まれ、担当の方から指示を仰ぎながら作業をしています。
年一回ボランティア交流会が開かれ、平日ボランティアのグループの人達も一堂に集まり、施設の方が労をねぎらってくださいます。
昼食をいただきながら、園長さんから最近の様子や各担当者の紹介などをお聞きして、食後には職員さんの楽器演奏などもあり、毎年楽しみにしております。
また、在校生有志もお掃除ボランティアとして汗を流しています。
11月23日には箏曲・茶道部の在校生が利用者のまえで箏の演奏や、お点前を披露しており、とても喜ばれています。
今年から園の入り口に診療所が開設されました。
気軽に来院していただける地域の施設として、ますます期待されています。
今後もお手伝いを続けていきたいと思っております。
曽根幹子
ウニオーネ城星
大きな愛を持って
私がミャンマー難民の支援活動に関わったきっかけは、今から20年ほど前、職員室での雑談からでした。
難民支援活動を続けているアメリカ人講師が私にひとつの素朴な織物のペンケース見せてくれました。
ペンケースの作り手はタイ・ミャンマー国境の難民キャンプに暮らす女性でした。
当時のミャンマーは軍事政権による悪政で、強制労働、略奪、村の焼き討ちなど少数民族への迫害が行われ、多くの難民が近隣の国々に逃れていました。
活動に参加するようになりそれ以降は、定期的に現地の難民キャンプを訪れて、子どもの教育と女性の自立を支援する活動を続けています。
その原動力となっている教えは「良いと思ったことは行動にうつす」です。
城星学園高校生時代に教えていただいたモットーでした。
「私たちは、大きいことはできません。小さなことを大きな愛をもって行うだけです。」マザーテレサの言葉はいつも変わらず私の指針となっています。
ミャンマーでは民主化が進み、難民の帰還も始まっています。
しかし、まだまだ必要とされている支援活動をこれからも大きな愛を持って続けていきたいと思います。
12期生 中尾 恵子
中尾さんは現在も本校で教鞭をとっておられ、長期休暇にはミャンマーで草の根活動を長年やっておられます。
学園で学んだ事を胸に素晴らしい活動をされています。
この大きな愛が後輩でもある学園の生徒たちに受け継がれている事と思います。
ウニオーネ明星
さくら咲く
12月23日—この日は大在小百合愛児園でクリスマス会が執り行われた日です。
その折に、私達同窓生は別府修道院より大在修道院へと移り生活なさっておられるシスター方をお訪ね致しました。
少し会わないだけでも懐かしさが募るシスター方。その姿ははつらつとし、とても元気!
所変われどいつもと変わらぬ笑顔の面々にホッと致しました。
思い返せば、学生時代ー。私達同窓生はシスター方にどれだけお世話になったでしょうか。
- 事務室でその敏腕をふるい、明星学園を裏から引っ張っていただいたシスター佐藤。
- お聖堂に綺麗なお花を飾り、皆の心を和ませてくれたシスター戸村。
- 誰にも負けない見事なお料理をつくりあげる、シスター市瀬。
- そして外回りにも気遣い、花々を植えて学生に自然の美しさを教えてくれたシスター海辺。
かけがえのない方々です。
5月13日は待ちに待った別府修道院の完成!ー落成式です!
今、完成を待つ修道院の庭には、同窓生が植樹した記念の桜がつぼみを膨らませています。
この桜がさく頃、再びシスター方とお会いできるかと思うと、今から楽しみで仕方ありません。
私達のシスターが、いつまでも元気に、その笑顔がたえぬよう、私達同窓生一同は心よりお祈り致しております。
さくら咲く!
シチリア、カターニャ支部 ロゼッタ・ゾッコ
「あなたがたは、わたしが旅人であったときに 宿を貸してくれた」
私は2004年から、地域の教育の質を高める活動で移民の子供達と関わり、シチリア州政府の援助と、多くのボランティアたちに支えられて、モロッコ、チュニジアなどEU外からの移民の若者たちに仕事を見つける活動をしていました。
2011年10月、リビアなどから漂着する多くの難民に対応するために、ポッツァロの難民受け入れセンター所長と、市民保護局の責任者は、私にセンターで働くようにと要請してきました。
そこで、他のボランティア達と共に受け入れセンターの職員として活動を始め、到着する難民たちの世話を始めました。
2014年夏にはこのセンターも手狭になり、一部はコーミゾの教会や、サレジアンシスターズの施設に移りました。
そこでもボランティアの若者たちは子供たちとサッカーをしたり、海岸に連れ出したり、イタリア語を教えたりと献身的に尽くしていました。
しかし、辛い出来事もありました。
浜に打ち上げられた難破船、シーツをかけられた遺体、寒さに震える生存者、両親を探す子供たち。
逃避行の途中で母親を亡くした赤ん坊が数週間前にたどり着いていた叔母に引き取られる、場面も見てきました。
契約の終了によって、受け入れセンターでの私の仕事は終わりましたが、この体験で難民たちの現実を知りました。
落ち込んでいるときにも一人の子供の笑顔が心の支えになることを経験しました。
それで私は友情、歓待、連帯という大切な価値を生きていこうと決めたのです。
UNIONE誌2016年12月号より抜粋・要約
2017年
ストレンナ 2017
私たちは皆、家庭に生まれました。家庭は私たちに名前と尊厳を与えてくれた尊い場です。
単に衣食住の場というだけではなく、家庭には力強い、秘蹟的な価値があるのです。
それは神の御子が人となって、家庭の中で成長することを選ばれたことでもわかるでしょう。
家庭の安らぎの中で、私たちは自由、責任、主体性、連帯などの大切な価値を受け取り、自分を大切にしながらも共通善を求めることを学びます。不一致や、あやまちがある日常の中、家庭では切磋琢磨しながらもゆるしがあります。十分なコミュニケーションがあり、耳を傾けることもできます。さらにひとりひとりの沈黙も大切にします。
価値観を示し、希望を与える場として家庭は命の学び舎です。受容し、導きを与え、護り、正し、助け、癒す場として家庭は愛の学び舎です。家庭が対話、理解、優しさ、一人ひとりの成長への配慮ある生活の場となり、愛の体験となるとき、家庭は真に救いの場となるでしょう。
サレジオ家族の一員である皆さんは、それぞれの家庭に美しさと、大切な価値があることを語る使命があるのです。
(サレジオ会総長メッセージより要約)
(ストレンナ:サレジオ会総長が毎年示す、サレジオ家族の年間目標)
おめでとうございます
2017年に誓願50周年を迎えられる サレジアン・シスターズのシスター方をご紹介します。
- Sr. 河村 幸子 カンディダ
- Sr. 小島 順子 マリア
- Sr. 杉田 勢津子 テレジア
- Sr. 鈴木 裕子 マリア
- Sr. 谷脇 アキノ マリア
- Sr. 渡辺 澄子 フランチェスカ
私どもの教育に携わり、誓願50年という節目を迎えられたシスターに感謝とお祝いを申し上げますと共に、これからも健康に留意されてますます活躍されますようお祈り申し上げます。
編 集 後 記
今号はモルネーゼの精神を思い起こすことをテーマにしました。巻頭言は少々堅く、難しい内容かと思いますが、あえて掲載いたしました。じっくりと読んで、同窓生のルーツであるマリア・マザレロの生き方を味わってください。 (E.S.)
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