Unione
 ウニオーネとは                「ウニオーネ会則」へ

 言葉の意味はイタリア語で「一致」、辞書を引いてみると「団結、同盟」という日本語が出てきます。 つまり、同じ主義を持った人が集まって作った団体のことを"ウニオーネ"と呼びます。
 私たちはサレジアン・シスターズの教育施設で、その精神を知り、実社会の中で活かしていこうとする同窓生のグループなので、「ウニオーネ」と呼ばれ、それぞれの学園、施設が「ウニオーネ」つまり同窓会を組織しています。
 同窓会と言えば、同じ学校を卒業した人たちの集まりですが、ウニオーネの考え方は少し違います。 サレジアン・シスターズの教育施設でその精神を知り、その教育の理想とやり方を体験し、分かち合った人は皆、同窓生と認められます。 ですから、様々な事情で卒業に至らなかった人も本人の希望により登録することでウニオーネ会員となれます。

(ここをクリックすると「ウニオーネ会則」が表示されます)


創立者
聖 ドン・ボスコ
(1815 〜 1888)

 ヨハネ(イタリア語ではジョバンニ)・ボスコ。1815年8月16日イタリア、ピエモンテ州ベッキ村に生まれる。 2歳になる前に父が急死し、学校へ行くこともできないほど貧しい生活を送っていましたが、青少年を導く神父になりたいという望みを持っていたので、 奉公をしながら中学校、神学校に通い、26歳の時トリノで司祭に叙階されました。
 以後、貧しく、恵まれない少年たちのためにオラトリオと呼ばれる教会学校を作って指導していました。 ドン・ボスコの教育法は少年たちと共にいて、見守るという指導で、厳しく罰を与えることが主流だった当時では画期的な教育法でした。 1869年ドン・ボスコの事業は教皇庁から正式に、サレジオ修道会として認可を受け、その後、教育事業を全世界に展開することとなったのです。
 貧しくて、教育を受けられないために非行に走る少年たちを世話し続けたドン・ボスコは1888年1月31日息をひきとりました。 1934年教皇ピオ11世によって聖人の位にあげられました。



聖女 マリア・ドメニカ・マザレロ
(1837 〜1881)

 マリア・ドメニカ・マザレロは1837年 北イタリアのモルネーゼ村に生まれました。 信仰深く、勤勉で、よい指導者にも恵まれて村の少女たちのよいお手本となっていました。
 23歳のときチフス患者の看病をしたためチフスにかかり、生死の境をさまよった後、マリアは人生で何をなすべきか深く考え、裁縫塾を開くことを思いつきました。 貧しい娘たちが学校へ通うのもままならない時代に、少女たちに読み書きと技術を身につけさせながら、祈りと神様の愛を教えることが大切だと感じていたのでした。
 その頃、ドン・ボスコは彼女の仕事ぶりに目を留めていました。 「サレジオ会員が男子にしているような教育を同じ教育法と精神で女子に対しておこなう女子修道会」を設立するにあたり、ドン・ボスコはこの裁縫塾の少女たちを核にしようと考え、1872年にモルネーゼに「扶助者聖マリアの娘たち」と名づけられた女子修道会が生まれました。
 マリア・マザレロは初代総長に選ばれ、たくさんの修道女や、生徒たちのマードレ(母)として愛情深く、行き届いた目で少女たちを見守り、1881年5月14日、44歳で神に召されるまで女子教育に力を注ぎました。
 今日、まさにあらゆるところで教育と心の問題が問われています。 マリア・マザレロは福音を伝えながら教育し、教育しながら福音を伝えるという二つの要素を力強く調和させることのできた教育者のひとりです。 彼女の考えは福音にもとづき、「私の兄弟であるこのもっとも小さい者の一人にしたのは、私にしてくれたことである。」(マタイ25−4)という考えによるものです。
 1951年 教皇ピオ12世によって聖人の位にあげられました。
 『愛の心があなたに命じることはすべて自由に行いなさい』  (マリア・マザレロの手紙より)
 


ドン・フィリッポ・リナルディ
(1856 〜1931)

 ドン・フィリッポ・リナルディはドン・ボスコのカリスマの最も確実な解釈者と考えられています。 総長であった福者ミケーレ・ルアが、1901年4月1日にフィリッポを副総長に任命した時から、亡くなる1931年12月5日までサレジオ会の中心人物でした。 特に1922年から1931年までの間は、総長として修道会を導きました。



 

精神と目的
 私たちは扶助者聖母会(サレジアン・シスターズ)の教育施設で学び、育てられました。 そこには創立者ドン・ボスコと、マリア・マザレロの教育理念に基く教育方針がつらぬかれています。 在籍中に受けた教育は卒業により終わってしまうものではなく、むしろ卒業後、社会に出てから生かし、伸ばしていくことが大切です。 宗教、道理、愛というサレジアン・スピリットに裏打ちされた生活を卒業後も続けていくことが出来るように、宗教教育を通して得た価値観や、道徳観をより深め、実践していくことがウニオーネの目的です。 進学先で、職場で、家庭で、地域で、各々の生活環境の中で、ドン・ボスコの精神を受け継ぎ、 社会に還元していく姿勢が求められています。

歴史
 マードレ・マザレロの在世中に開かれたオラトリオ(日曜学校)には、教育を継続するため、またシスターたちと共に教育事業に協力するために多くの同窓生たちが通って来ていました。
1908年  オラトリオの指導司祭だったドン・フィリッポ・リナルディは卒業生たちに同窓会を結成するように提案し、同窓生たちは規則書を作り、臨時の評議会を結成しました。 これが後に世界に広がる「扶助者聖母会同窓会世界連合」のはじまりです。 その後、ヨーロッパを中心に、アジア、アメリカへと発展しています。
1921年  機関誌「unione」を創刊し、会の充実が図られました。
1972年  扶助者聖母会創立100周年記念同窓会世界大会開催。 日本の同窓会は国内8つのウニオーネからなる「日本管区連合」を結成して、世界連合に加盟しました。
1988年  扶助者聖母会同窓会世界連合はサレジアン・ファミリーに所属することが公式に認められました。
 

ウニオーネ日本管区の歴史
 サレジアン・シスターズは1929年にはじめての宣教女が来日して以来日本各地で教育事業を展開しています。 卒業生たちはそれぞれの学園ごとに同窓会を組織して母校を助け、互いの親睦を図っていました。 星美学園短大に進学した姉妹校の同窓生たちを中心に日本中の卒業生と連携を図ろうという機運が高まって日本管区連合ウニオーネが組織されました。
1972年 日本のウニオーネは扶助者聖母会同窓会世界連合に加盟することになりました。
1975年 日本管区連合機関誌「ウニオーネ」を創刊。管区内の組織化が図られました。
1978年 同窓会世界連合の会長、デレガータ、同窓会担当マードレが来日されました。
1983年 同窓会創立75周年記念ヨーロッパ大会に日本管区連合のデレガータが出席しました。
1988年 ドン・ボスコ帰天100年記念 合同 同窓会 世界大会に代表を派遣しました。
1991年 扶助者聖母会 同窓会世界連合 第1回評議員選挙・総会にデレガータが参加しました。
1993年 扶助者聖母会 同窓会日本管区連合 会則発効。同年、同窓会世界連合会長、デレガータ、扶助者聖母会 評議員が来日、各地を視察されました。
1997年 扶助者聖母会同窓会世界連合 第2回評議員選挙・総会 に日本管区連合の代表が参加しました。 この総会で日本人の世界連合評議員が誕生しました。
2000年 タイ、バンコクで開かれたアジア・オセアニア地域サレジアン・ファミリー合同 同窓会に代表が参加しました。
2001年 インド、チェンナイで開催された「女性と平和」アジア・セミナーに代表が出席しました。
2003年 扶助者聖母会 同窓会世界連合 第3回評議員選挙・総会に代表が参加しました。
2004年 新会則を作成、発効されました。
2008年 扶助者聖母会 同窓会世界連合 が百周年を迎えたことを記念して11月30日、赤羽で「同窓生のつどい」を開催しました。
2009年 7月26日より、ローマにて百周年記念の閉会式に合わせ、同窓会世界連合の第4回評議員選挙・総会が開催され、日本からは後藤シスターと日本管区代表者の二名が参加しました。
2010年 聖ドン・ボスコの生誕二百年(2015年)を祝う行事の一環として、ドン・ボスコの聖遺物の納めてある御像が世界中を巡る中、日本にも2月2日〜18日の間滞在、サレジオ家族の拠点のある各地を訪れました。
2011年 3月11日、東日本大震災の発生に伴い、赤羽で予定されていた日本管区総会の開催が中止になりました。
2021年 3月、同窓会世界連合の名称が「扶助者聖母会(FMA)同窓生世界連合モルネーゼ」に改称されたことに伴い、本会の正式名称を 「扶助者聖母会(FMA)同窓生日本管区連合」に改めます。通称の「ウニオーネ日本管区連合」は不変です。

また、目黒星美学園が「サレジアン国際学園世田谷中学高等学校」に改称されたことを受け、ウニオーネ目黒は 「ウニオーネ世田谷」に改称いたします。
 

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扶助者聖母会(FMA) 同窓生世界連合 会則  「ウニオーネとは」へ戻る


会 則

序 文

  扶助者聖母会同窓会は1908年、イタリアのトリノにおいてフィリッポ・リナルディ神父 (註1) によって創設されました。
 サレジアン・シスターズ (註2) の教育施設を巣立った同窓生たちは自らが受けた教育を社会の中でより深め、分かち合うために世界的広がりを持つ扶助者聖母会同窓会世界連合を結成しました。 同窓生であるということは、ある時期サレジアン・シスターズの教育施設で教育を受けたということにとどまりません。 それは自分の生き方としてモルネーゼスタイル (註3) でサレジオ的価値を受け入れるということです。 したがって、ドン・ボスコの予防教育法とマリア・マザレロの行動様式による人間的宗教的価値観を共有するすべての人を宗教、文化、社会にかかわりなく同窓会員として受け入れます。
 日本国内の同窓会は1972年に扶助者聖母会同窓会日本管区連合を結成して世界連合に所属しました。 扶助者聖母会同窓会世界連合は1988年、サレジオ家族 (註4) の一組織として正式に認められました。
 以下の規約は、同窓会員の生き方の方向性を示す指針として2015年8月の同窓会世界連合総会において承認された規約に基づき、日本国内の現状に合わせて、不可欠な部分のみを抜粋したものです。

(註1):フィリッポ・リナルディ神父(1856〜1931)は当時トリノのオラトリオの院長で、後にドン・ボスコの後継者としてサレジオ会第4代総長となる。


(註2):日本における正式名称は扶助者聖母会、通称として一般にサレジアン・シスターズが用いられる。


(註3):モルネーゼはマリア・マザレロが生まれ、育った北イタリアの村の名。マリア・マザレロの生き方と、その精神をモルネーゼスタイルと呼ぶ。内容は第5条2項に記す。


(註4):ドン・ボスコの精神で活動するグループであるとサレジオ会総長によって認められた団体。


扶助者聖母会(FMA)同窓生日本管区連合 規約(抄)

第1条 定義

1-1 扶助者聖母会(FMA)同窓生日本管区連合(以後ウニオーネ日本管区連合と呼ぶ)はサレジアン・シスターズによって創設が勧められた非営利団体で、サレジオ家族の一組織である。従ってドン・ボスコの後継者であるサレジオ会総長を精神的一致の中心におく。
1-2 ウニオーネ日本管区連合は在園、在学中に受けた教育を社会の中で実践する。
1-3 ウニオーネ日本管区連合はいかなる政治団体にも属さない。
1-4 ウニオーネ日本管区連合は扶助者聖母会同窓会世界連合に所属し、その目的と精神を共有する。


第2条 会員

2-1 ウニオーネ日本管区連合は会員の宗教を問わない。
2-2 サレジアン・シスターズの教育施設に在籍した者を会員とする。 
2-3 会員は会則を遵守し、所定の入会金を支払う。


第3条 構成

3-1 ウニオーネ日本管区連合の法的所在地を東京都北区赤羽台4-2-14星美学園内におく。
3-2 ウニオーネ日本管区連合は、日本管区内に存在するウニオーネ支部により構成される。ウニオーネ支部は会員の活動の場であり、会員からの要望をくみ上げる場である。
3-3 ウニオーネ支部は自主的に運営され、ウニオーネ日本管区連合の目的および精神を共有し、会員との接触を保ち、ウニオーネ日本管区連合との連絡を保つ。


第4条 活動

4-1 ウニオーネ日本管区連合は以下のような活動を行う。
a) サレシアン・シスターズの教育活動と、付随する事業にサレジオ精神で協力する。
b) 女性の教育の向上と、家族や生命の保護の促進に努める。
c) 人権と平和の促進のために働く。
d) 若者、特に窮地にある者を支援する活動を促進し、中心的役割を果たすよう努める。
e) 社会的コミュニケーションの能力を高め、対話の中から見解を提示する。
f) 文化、宗教間の対話を促進する。
g) 受けた教育的価値に従い、会員への時代に即した継続的養成に配慮する。
h) 会の起源に従って生活し、会員間の連帯を促進、育成する。
i) 地域内で活動する存在となり、会の精神に従い、社会や教会と協力して働く。
j) サレジオ家族、特にサレジオ同窓会連合 (註5) と、サレジアニ・コオペラトーリ (註6) との関係を保つ。

(註5):サレジオ同窓会連合はサレジオ会によって創設された学校、施設の同窓生による世界連合組織。本会同様リナルディ神父により創設され、サレジオ家族に所属する一組織である。

(註6):サレジアニ・コオペラトーリはドン・ボスコにより創設された世界的組織で、サレジオ会の精神を社会の中で生かして活動する信徒の会。旧サレジオ協力者会。サレジオ家族に所属する一組織である。


第5条 精神

5-1 ウニオーネ会員の精神は「理性・宗教・慈愛」の三要素で表されるドン・ボスコの予防教育法に基づく。それは人間の最も根本的な熱望である真理の探求、神への欲求、他者との交わりに応えるために不可欠な教育法である。
5-2 会員の精神は、ドン・ボスコと共にサレジアン・シスターズを創立した、マリア・マザレロの生き方と活動の中のカリスマ的要素によって更に豊かにされる。すなわち、愛を心がけ、日々喜びのうちに生きること、どんな小さな行為にも神の存在を感じとり、地域社会の中で積極的に活動すること、生命の大切さを証し、連帯を促進することである。


第6条 会員相互の関係

6-1 会員はおのおの所属するウニオーネ支部を通じて、ウニオーネ日本管区連合に対し応分の権利を行使し、義務を負う。


第7条 ウニオーネ日本管区連合本部

ウニオーネ日本管区連合本部の組織は次のものとする。
 ・ ウニオーネ日本管区連合総会
 ・ ウニオーネ日本管区連合本部評議員会
 ・ ウニオーネ日本管区連合本部顧問団
 ・ ウニオーネ日本管区連合本部監査委員会


第8条 ウニオーネ日本管区連合総会

8-1 ウニオーネ日本管区連合総会はウニーネ支部長により構成される。


第9条 ウニオーネ日本管区連合本部評議員会

9-1 ウニオーネ日本管区連合本部評議員会は管区内の意思決定機関で、最少5名、最大15名の評議員からなる。評議員の任期は3年とし、再選は妨げない。


第10条 会員登録

10-1 会員は各々の所属するウニオーネ支部会員名簿に正式に登録される。


第11条 ウニオーネ日本管区連合本部顧問団

11-1 ウニオーネ日本管区連合本部顧問団はサレジアン・シスターズ日本管区長、サレジオ家族担当評議員、管区連合デレガータ、およびウニオーネ日本管区連合本部元評議員により構成される。
11-5 管区連合デレガータは、同窓会の活性化および精神面の指導にあたる。また、ウニオーネ支部のデレガータと連絡をとって指針を示す。


第12条 ウニオーネ日本管区連合本部監査委員会

12-1 ウニオーネ日本管区連合本部監査委員会はウニオーネ日本管区連合の会計組織を監視する委員会で、ウニオーネ日本管区連合総会において承認された会員により構成される。任期は3年とし、再選は妨げない。


第13条 会計報告

13-1 会計年度は4月1日から翌年3月31日までとする。
会計報告は年度末から6ヶ月以内にウニオーネ日本管区連合総会で承認されなければならない。


第14条 刊行物

ウニオーネ日本管区連合は会員の絆を深め、精神的成長を促し、連絡を保つために機関誌を発行することができる。


第15条 財産

15-1 ウニオーネ日本管区連合の財産は次のものから構成される。
a) 会員によって払われた入会金
b) 献金、寄付金、補助金など
c) 予算上の余剰に由来する資金の利子収入
d) 動産および不動産、会が得た有形、無形の権利

附 則
   この会則は2018年4月23日より施行する。




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